130 名前:名無しさん@13周年[] 投稿日:2012/12/02(日) 16:06:38.21 ID:HZOKZZP80
日米安保はアメリカの都合でいかようにでも変質しうる
自衛隊を強化しろといっても、どこを強化するかについてアメリカはきちんと制約を
設けています。陸上自衛隊はどうでもいい。海上自衛隊については、
たとえば核ミサイル装備の潜水艦を探査するためのP3C哨戒機の配備です。
空飛ぶコンピュータといわれるこの哨戒機を世界でいちばん多く持っているのは日本です。
しかし日本の海上自衛隊には攻撃用のミサイルは一機もない。あくまでも専守防衛に
かぎられていて、独立した海軍としての行動ができないようになっている。その最大の
任務は、アメリカの空母機動艦隊を守るということなのです。
自衛隊がそういう状況だから、日本が自主独立するなんて到底不可能なことだ、と結論が
先にきてしまう。まして核武装するなんてまったくの論外ですと、そうなるわけです。
しかし、私としては核武装について、議論としてだけでもするべきだと思います。われわれは
やるという意志さえあれば核武装できますよと、そういう状況をつくりあげていく必要が
ある。そのことがきわめて大きな政治的武器になるのです。もっとも、日本の核武装に
ついては、ちょっと議論しただけでもアメリカはすぐに警戒心をむき出しにしてきます。
麻生内閣の中川昭一財務大臣が、G7の財務大臣・中央銀行総裁会議の後の記者会見での
失態で辞任に追い込まれましたが、実はこれにも裏があって、中川さんがかつて、「核に
対抗できるのは核だ。われわれも核武装についての議論を始めるべきだ」と主張したことにも
原因があったのです。北朝鮮が核実験をやったときのことです。
当時、この発言を聞いたとたん、ライス国務長官がアメリカからすっ飛んできて、
「われわれの核の傘は大丈夫だ」といったほど、アメリカは慌てふためいたものです。
中川さんは核についての議論までが封殺されている日本の現状について、非核三原則どころか
「議論してもいけない」「考えてもいけない」の非核五原則だと痛烈に批判しましたが、
その状況はそのまま現在にいたっています。
( 『この国の権力中枢を握る者は誰か』 徳間書店 )