古墳時代のよろい姿の人骨発見=火砕流に遭遇し死亡か-群馬
よろいを着た古墳時代の男性人骨(左下)。盛り上がった黄土色の部分がよろいの胴衣部分=10日午後、群馬県渋川市の金井東裏遺跡
群馬県渋川市の金井東裏遺跡で、6世紀初頭に噴火した榛名山二ツ岳の火山灰で埋まった溝から、よろいを着た成人男性の人骨が見つかった。遺跡の発掘調査を行っている県埋蔵文化財調査事業団が10日、発表した。同事業団は、古墳時代の人間が火砕流に遭遇し、死亡したとみている。古墳時代のよろいが、実際に人が着た状態で見つかるのは全国で初めて。
よろいは高さ約60センチ、幅約50センチ。人骨はほぼ全身が残っており、うつぶせの状態で見つかった。膝をついた姿勢から前に倒れたとみられる。着ていたものと同種のよろいは、主に大和政権と近い有力者の古墳から見つかることから、この男性も首長だった可能性が高いという。遺跡からは他に、別のものとみられるよろいの一部、乳児の頭骨一つ、鉄製の矢尻14点が発見された。
同事業団は、人骨が火砕流が流れて来る方向に向かって倒れており、逃げようとした形跡もないことから、男性がよろいをまとい、矢尻を並べた上で、山の怒りを鎮めようとしていたのではないかと想像している。(2012/12/10-19:49)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201212/2012121000822