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対馬で文化財が次々に窃盗被害!! 韓国の国宝になっていた!!

県内トピックス (2012年11月9日更新) 長崎新聞

対馬の窃盗文化財は海外?
犯人が出入りしたと見られる収蔵庫の屋根の穴。付近に設置された防犯カメラ2台の死角となっており計画性がうかがえる=対馬市厳原町、多久頭魂神社
犯人が出入りしたと見られる収蔵庫の屋根の穴。付近に設置された防犯カメラ2台の死角となっており計画性がうかがえる=対馬市厳原町、多久頭魂神社

 対馬市の文化財を狙った連続窃盗事件は発覚から1カ月がたった。県警は海外流出も視野に行方を追い、県市は管理体制の見直しを検討している。だが、過疎化で「島の宝」を守る監視の目が行き届いていない実情もあり、ともに難航している。

■防犯意識

 人里離れた森にたたずむ厳原町豆酘(つつ)の多久頭魂(たくずだま)神社。境内の収蔵庫は屋根に幅約50センチの穴が開いていた。10月11日、対馬南署はここから県指定文化財「大蔵経」1冊が盗まれたと確認。被害は峰町の国指定重要文化財「銅造如来立像」、豊玉町の県指定文化財「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」と合わせ3件となった。

 対馬の事件を、ソウル新聞社の元東京特派員で、日本で盗まれた文化財が韓国で闇取引される実態を取材してきた黄性淇(ファンソンギ)文化広報局長(49)は「韓国で人気がある仏像や経典に的を絞っている。盗品は海外へ出る可能性がある」とみる。

 かつては韓国の寺院でも盗掘事件が多発。現在は取り尽くされた状態で「暗躍するブローカーは防犯意識が低い日本に注目しており、朝鮮渡来品が多い対馬が狙われても不思議ではない」と警鐘を鳴らす。

 地元の有識者も「興味がある人が見れば、ここは宝の島。国内外の古美術商が頻繁に出入りしている」と口をそろえる。過去には個人所有の仏像が億単位で売られたこともあり、今回被害を受けた仏像も「数億円は固い」とみられる。

■管理体制

 事件前に県内で発生した国、県指定文化財の盗難は5件。中でも1994年に壱岐市の安国寺から盗まれた「大般若経」は翌年に酷似物が韓国で国宝となっていることが判明。国は韓国政府に調査を依頼しているが反応はないという。

 県警は出入国管理当局などと連携し、捜査しているが、ある警察関係者は「過疎地で目撃情報は乏しい。都市部のように人や車の流れを把握するシステムもなく難しい状況」とこぼす。

 県市が急ぐ管理体制の立て直しにも人口減少が障壁となっている。事件後の調査で、各地の文化財の保存施設が無人だったり、防犯対策が整っていない実態が次々と明るみに出た。

■共通認識

 文化財保護法は、管理を所有者と地方公共団体に義務付けている。財部能成市長は補正予算で防犯設備を整える考えだが、その維持にも人手が必要となる。

 有識者でつくる市文化財保護審議会は特に重要な文化財は施設へ寄託するよう促すが、寺院の本尊や伝統行事の信仰対象となっているものもあり、反対する声も根強い。県対馬歴史民俗資料館の阿比留徳生館長は「郷土の歴史を物語る文化財はその土地にあるから意味を持つ。行政と市民が島のアイデンティティーを守るという共通認識を持ち、地域ぐるみで問題を考えなければならない」と話す。

対馬 観音寺 「観世音菩薩坐像」「如来立像」盗難

対馬の仏像・教典盗、別の寺社も被害
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20121010-OYS1T00304.htm

長崎県対馬市教委は9日、市内の寺社から県指定有形文化財の仏像と仏教経典が盗まれたと発表した。同市の海神神社では8日に国指定重要文化財「銅造如来立像」の盗難が発覚したばかり。県警は文化財を狙った連続窃盗事件とみて捜査している。

 市教委や県警によると、仏像は同市豊玉町小綱にある観音寺の本堂に安置していた「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」(高さ約50・5センチ)=写真、「対馬の文化財」より=。1330年に朝鮮半島で作られたとされる。如来立像の盗難を受け、8日午後、警察官と檀家(だんか)らが同寺を調査。本堂の出入り口や窓はすべて施錠されており、県警は何者かが本堂付近に隠していた鍵を見つけ出して侵入したとみている。

 経典は、同市厳原町豆酘(つつ)にある多久頭魂(たくずだま)神社の「大蔵経」。1251年に朝鮮半島で完成し、伝来したとされる。宮司が9日午前、木造平屋の収蔵庫の屋根が壊され、全977冊(約5000巻)のうちの一部がなくなっているのに気付いた。
(2012年10月10日 読売新聞)

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国重文の仏像盗難:長崎の銅造如来立像がまた被害に
http://mainichi.jp/select/news/20121010k0000m040071000c.html

毎日新聞 2012年10月09日 20時57分

 8日午後0時20分ごろ、長崎県対馬市峰町の海神(かいじん)神社敷地内にある峰町ふるさと宝物館で、国指定重要文化財の仏像「銅造如来立像」が盗まれているのを神社関係者が見つけ、110番した。同市南部の観音寺で同日夕、県指定有形文化財の仏像「観世音菩薩坐像」が盗まれていたのも判明。県警は関連も含め、窃盗事件として捜査している。

 市文化財課によると、「立像」は高さ38センチ、重さ約6キロ。朝鮮半島の新羅統一時代の8世紀に作られたもので、1974年に国の重文に指定された。

 対馬北署などによると、宝物館の二重扉になっている出入り口の南京錠3個全部が壊され、仏像を入れていた館内の強化ガラスケースが倒されていた。

 この立像は95年にも盗難被害に遭ったが、その時は犯人が逮捕され神社に戻されたという。【阿部義正